歩いていくと一軒の家が立っていた。

「確か…… そう、あの家だ」

 サイゾウは、その家がソウロウの彼女の居る場所だという。

「何か立派な家ね、いつ建てたの?」

「空き家だ」

 サイゾウはすんなりと答えた。

「何でそこまで知っているの?」

 コッシュは疑問に思う。

「他に考えられないだろ。 指輪のために各地を回ってたんだからな」

「うん…… 確かに」

 何となくコッシュは納得した。

「それでは…… いくか」

 3人は家に向かい歩き出す。

 だが、足取りはあまり良くなかった。

「……何ていえばいいのかな」

「悩むわよね…… お兄さんが……」

 コッシュとメルはしんみりしている。

「お前たちは黙っていていい。。 それは俺が説明する」

「う、うん」

 そうして、家の前まで来た。

 サイゾウは家のベルを鳴らす。

「はーい」

 ドアを開けて、綺麗な女性がこちらを見た。

「えっと…… どちら様?」

「お初にお目にかかる。 俺はソウロウの知人のサイゾウ」

「僕はコッシュで…… こっちがメル」

 コッシュも自己紹介をする。

「え、えっと、初めまして!」

 ソウロウのことを考えると、気持ち的に複雑でメルは戸惑っていた。

「あ、初めまして、ソウロウの恋人のセラです…… 立話もなんですので、どうぞ中に」

「あ……、どうも」

 とりあえず、中に入っていくことにする。

 そして、奥の部屋にやってきた。

「何もお持て成しが出来ませんが、座ってください」

「いや、いいです。 それよりお話が……」

 サイゾウは深刻な顔をする。

「もしかして、ソウちゃんに何か……」

 セラは前々から嫌な予感をしていた。

「……」

「ハッキリ言ってください…… 何かあったのですか……」

「それが…… 彼は洞窟の敵の不意打ちに合い、倒れました……」

 中々切り出せなかったが、サイゾウは何とか口にする。

「そ、そうですか……っ」

 セラは涙が出そうになっていたが、グッと抑えた。

「あ…… それで、これを渡してって言われたんだけど……」

「……これは?」

「ソウロウのお兄さんが捜してた…… 指輪」

「ソウちゃんが……」

 セラはコッシュから、その指輪を受け取る。

 その指輪にセラの一粒の涙が流れた。

「ソウ……」

 ずっと泣くのを、セラは我慢している。

「で、では…… 俺たちは失礼させてもらいます」

「そうだね…… 早く出よう」

 3人はセラに気をつかい、部屋を出た。

 そして、玄関を通って外へと出て行く。

「……」

「もう、帰ってこないんだよね……」

「強引で頭は悪かったけど、いい人だったわ」

 ソウロウのことで涙を浮かべる3人。

「墓でも立ててやろうか」

 サイゾウはそういうと、家の近くの土を触る。

 3人は、その後もソウロウのことを、ずっと考えていた。

「うん、オッさんの墓を……」

 その時、どこから声が聞こる。

「オッさんではない!」

 その声と同時に懐かしいパンチがコッシュの頬に炸裂した。

 コッシュは姿が見えなくなるほどの先ぐらいまで吹っ飛んだ。

「いたっ……! ってその声は」

「ソ、ソウロウ! 生きていたのか!?」

 夢だと思い頬をつねったが、痛かったので本当だということに気がつく。

 そこにいたのは紛れもなくソウロウだった。

「いやっ、何だか知らんが気がついたら森にいてな、知ってる道だから来たのだ!」

「気がついたら森にいた…… って何で、洞穴で死んだんじゃ……」

 メルは何が何だか理解できない。

「私にも分からん! 傷もいえていたし、神様が私にロマンを続けろといったのだろう!」

 確かにソウロウの体には傷一つ見つからなかった。

 探検服やバックの汚れまで無くなっている。

「あの…… 僕のこと忘れてない?」

 ずっと先に吹っ飛んでいたコッシュは何を話しているのか聞こえなかった。

 それなので、こっちまで歩いて来る。

「おっと、すまん少年! いつもの勢いでぶっ飛ばしてしまった!」

「で、でもさ! お兄さん…… 生きてて良かった!」

 コッシュはソウロウに泣きついた。

「少年たちには心配かけたな……!」

「俺たちのことはいい、オマエの彼女にあってやれ!」

「あ? サイゾウたちは、もう、会ったのか!?」

 ソウロウはイマイチ状況を把握していない。

「そりゃ、ココまで来たんだから当たり前じゃない!」

 メルがソウロウに怒鳴りつける。

「それも、そうだな! よしっ、少年たちもいくぞ!」

「え、僕らも……?」

 コッシュは戸惑った。

「当然だろ! 一緒に旅をした中だからな!」

「そ、それもそうだね……」

「それじゃ、行くわよ!」

 そういうことで、3人はソウロウを加え、再びセラの家に行く。

 2回に入るため、そのまま上がった。

「セラ! 今、帰ったぞ!」

 入ると同時に、ソウロウは大声で言う。

「……えっ!?」

 セラは家の奥の部屋から出てきた。

「そ、ソウちゃん!」

 セラの目の前にはソウロウが立っている。

 そのまま、セラはソウロウに泣きついた。

「心配かけたな!」

 ソウロウはそっとセラの頭の後ろに手を伸ばし撫でる。

「何で…… 死んじゃったんじゃなかったの……?」

「知らん間に、生き返っていたんだ。 セラのおかげかもな」

 ソウロウはちょっと冗談を混じりに言った。

「お兄さん、アレアレ!」

 コッシュはヒジをソウロウに当てて何かを伝えようとしている。

「な、なんだ少年!?」

「指輪だよ! あれ、セラさんの指にハメてあげたら!?」

 鈍いソウロウにコッシュは言った。

「そうだな。 わかった」

 そういうと、セラの方へ向く。

「セラ、あの指輪、ちょっと貸してくれ……!」

「あ。 はい、ソウちゃん」

 セラはソウロウに指輪を渡した。

「それじゃ、改めて!」

 ソウロウはセラの手をつかみ、セラの指に指輪をハメる。

「これで、私たちは一緒になれるな!」

「そうね…… ソウちゃんと、ずっと一緒にいられる」

 凄くいいムードになっていた。

「うーん。 何だろう。 何か素敵な光景だね!」

「当たり前じゃない! それで、これが本当のお兄さんのロマンね……!」

 3人は、ソウロウとセラの2人を見守る。

「よしっ、それじゃ俺はまた別の宝でも探してくるとするか」

 そういうと、サイゾウは後ろを向いた。

「あれ、もういっちゃうの? サイゾウさん?」

 コッシュはサイゾウが行こうとしているとこを見て、声を掛ける。

「まぁな。 機会があれば、また会えるだろう」

「うん、そうだね! それじゃ、バイバイ!」

「さよなら、サイゾウさん!」

「お、サイゾウ! 達者でな!」

 3人はにこやかに送り出す。

「ソウちゃんがお世話になりました。 また、会えるといいですね!

 セラも頭を下げ、手を振って見送った。

「あぁ、では御免!」

 サイゾウは最後の挨拶を済ますと、去っていく。

「それじゃあ、僕たちもそろそろ帰るね」

 コッシュも併せて別れを切り出した。

「あぁ。 いろいろあったが楽しかったな!」

「ええ、色々スリルもあってよかったわ!」

 3人ともニコニコしていた。

「また、いつか遊びに来るんだぞ、コッシュ!」

 初めてソウロウはコッシュのことを名前で呼んだ。

「え、今なんていった?」

 コッシュは何気なく言われた言葉に聞きそびれる。

「同じことは二度も言わんぞ! 少年!」

「うーん…… まあ、いいや! またね!」

「さよなら、お兄さん!」

 コッシュとメルは手を振った。

「あぁ、またな! 少年とメル!」

「また、遊びに来てくださいね!」

 ソウロウとサラも手を振って見送る。

 そして、コッシュとメルもソウロウの家を去った。

 この度の度はコレでおしまい。

 ところで、ソウロウが生き返ったのは、

 クリスタル・パールのおかげか、それとも……。

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