「南西に進むとビフラ城。 だがその途中にナトアがあるよ」 「ナトアに行くメリットってあるのかな?」 「ないだろうね。 ここは今も昔もビフラエリアだから」 「じゃあ、そこへ行く意味は無しで、ビフラ城へ向かおう!」 コッシュがそういうと、一同は動き出す。 敵はビフラ。 よそ見せず進むことになった。 そうして、ビフラ城付近までやってくる。 「ん…… 何で城があんな上にあるのさ」 見上げると、山の頂上にビフラ城があった。 山々に覆われ、進もうにも進めないような茨の道。 ただ穴が正面にあけられており、ここが出入口という様子。 「これは容易に攻められない工夫だろうね」 「でも、ビフラはこんなとこを通っているわけなの?」 「それはわからないけど、ここまで来たら正面突破だ」 フアンが堂々と穴に入っていく。 だが、途中で立ち止まり振り返って言う。 「村人さんたちは安全地帯でテントを張っていてくれ」 「わかったよ! それじゃ、俺たちはアンタらの帰りを待ってるぜ!」 そういって村の集団は去っていく。 それを見て、コッシュとメルも腹をくくった。 「僕とメルも、フアンに続くよ!」 「ビフラなんか、ギッタンギッタンのボッコンボッコンにしてやるわ!」 そう言って、3人は穴に入る。 穴の奥に広がるのは迷路のようなダンジョン。 「さすが、ビフラの防壁だ。 完璧なまでの造りだね」 「これは、骨が折れそうだよ」 「さあ、先に進むわよ!」 そうこうして、スイッチトラップ、落下トラップ。 さらに岩石トラップ、メタルジャーの襲撃などなど色々あった。 それを掻い潜り、ビフラ防壁を抜ける。 「ふぅ…… もうヘトヘトだよ」 「まだ、バテるのは早いよ。 ビフラと戦うまで、まだ先は長いからね」 「そうね。 まだ城の攻略が残っているわ」 そういって3人は城のほうへ向かう。 城の前にはメタルジャーが2体守っている。 しかし、今回のメタルジャーは金色に輝いている。 「気をつけたほうがいい。 あれは上級メタルジャーだ。 「え? なんで、そんなことがわかるの?」 コッシュは疑問に思った。 「体の色が金ってことは金属の中でも上ってことだよね? だからさ」 「でも、金って軟らかくなかった?」 「いや、特殊合金っというか、銀を混ぜることで硬くなるんだ」 「そうなんだ。 まぁ、倒さないことには始まらないし」 そう言ってコッシュは、メタルジャーに突撃。 フアンとメルもその後に続く。 「何だ、貴様ら。 っていきなり挑むな!」 ゴールドメタルジャーと戦闘になる。 イキナリ不意打ちを掛けるコッシュ。 1匹のゴールドメタルジャーは倒れる。 「ほへぇ、やっぱ鋼の切れ味は違うね!」 コッシュはルハナで鋼の剣を購入していた。 ついでに言えばメルも持っている。 「このヤロ! 俺ちゃんの相棒の仇!」 「お前だって僕がやっつけてやる!」 「わたしたちもいることを忘れないで!」 メルも飛び込み、フアンと同時に斬撃。 「ク、クソがぁぁ!」 もう1人のゴールドメタルジャーも倒れた。 「よし、先に進もう」 コッシュがそういうと、扉を開けて入る。 そこはビフラの悪趣味が現われている。 だが、内装は手抜きで、正面の階段の上に王室と思わせる扉。 「ヤツがいるのは、あの部屋か」 「じゃあ行こう! フアン、メル!」 3人は階段を駆け上がり、扉を開いた。 予想通り、ビフラが王座に座っている。 その横には右腕アエスも立っている。 アエスは銀の兜を冠って、メタルジャーの鎧を身に着けている。 「よくココまで来れたな。 とりあえず褒めてやる」 「黙れ、エビフライ! お前なんか丸焼きにしてやる!」 「貴様はあの時のガキ。 おい、アエス。 今度こそ殺せ」 「言われなくても承知でっせ。 前みたいに行くと思うなでっせ!」 アエスがイキナリ斬りかかって来た。 しかし、こちらもすぐに対応。 ひらりとかわす。 「ここまで来る力はあるようでっせね」 振り返ってニヤりと笑う。 「邪魔だよお前! 必殺、ジャハブレイク!」 コッシュはオノのように剣を振り上げた。 アエスは余裕の笑みを浮かべている。 そのままコッシュは飛び上がり、アエスの頭上へ行くコッシュ。 「無駄でっせ。 この兜は何者にも破壊できないんでっせ」 そう言ってアエスは避けず、コッシュが落下。 だが、掠める音だけでビクともしていない様子。 「あれ、本当に破壊できないや」 「では、今度はあっしが……」 その時、アエスの兜にヒビが入る。 「な、なぜでっせ? この最強の兜が!」 アエスの冠っていた兜は真っ二つになる。 足元へと落下していった。 「銀も所詮金属。 高温で斬ればヒビぐらいは入るさ!」 「え、コッシュ。 今、何をやったのよ?」 メルはいきなりのことで理解できていない。 「オッさんのパンチと同じ原理さ。 手に集中し、剣に熱を送ったってこと」 「それがジャハブレイクってことね」 「そうそう。 ついでにアエスの頭も相当ダメージだよ」 「ん…… そういえば、頭が痛いでっせ!」 アエスは自分の頭を触った。 手に血が付いている。 つまり頭から血を出している。 「げげっ! うわぁぁ、死んじまうでっせ!」 アエスはどこかへ行ってしまった。 ビフラは一瞬、顔をしかめる。 その後、不気味な笑みを浮かべた。 「もう、残ってるのはお前だけだぞ、エビフライ!」 「それはどうかな、クソガキ」 すごく余裕を見せるビフラ。 「何だと! どういう意味だ」 「……俺様には切り札があるってことだ」 |
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